みんと

ノッティングヒルの洋菓子店のみんとのレビュー・感想・評価

3.6
英国、ノッティング・ヒルの美しい風景を走る1台の自転車。冒頭からもう素敵!掴みはちょっとサスペンスチックなんだけど、ほっこり優しいお洒落イギリス作品だった。

建造物のカラーやデザイン、映し出される街並みを見てるだけでもうっとり。加えて様々な洋菓子達がティータイムへの誘惑を煽る。コレは飯テロならぬ菓子テロ映画で良いのかな~?

1人の人生が消えた時、取り巻く人達は色んな立場で悲しみや葛藤と向き合わなければならない。痛みも苦味も伴うけれど、やはり残された者はそれでも人生は続いて行く…
ともすれば重くなりそうな設定を、カラフルで美味しそうなスイーツ達が絶妙に甘味を添えてくれる。

無駄なひねりなんていらない、十分視覚が満足出来るのだから。そして何より後味が良い。気付けば終始サラの目線で、遠くから皆を見守る気持ちで観てた。

ガツンと心を抉られる映画とは対極にある作品とは言え全く違う満足感が得られる優しい作品だった。

ちなみに一番記憶に残った台詞は“日本人はきっと時間が余ってるのよ”…
抹茶ミルクレープが上手く作れないイザベラが日本人パティシエの繊細さに敬意を込めた皮肉にクスッと。
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