ステラー

香港画のステラーのレビュー・感想・評価

香港画(2020年製作の映画)
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キネマ旬報シアターで舞台挨拶で監督とプロデューサーの話を聞くこともできた。
正直言えば、香港の状況はひどいと思う。
少なくとも、自分の中では香港の方々が自分の意見を干渉なく表現できる未来があまり見えない。
でも、希望を失ったら、それこそ相手の思惑通りとなってしまうんだとも思う。
彼らが起こしてくれたムーブが世界のある一人の若者の心を動かしていることだって事実。
心動いた人の中で行動に移す人が現れるのも事実だと思う。
そうやって、香港の若者が見せてくれた「思い」は、情報統制をすることで、戦争に突き進もうとしてしまう国に対する最大の抑止力の火種を広げてくれるようにも思う。

武力行使は、思想が極端なものへと変容させてしまうから、その点でも罪深いとよく思う。
それは、武力行使を始めた側だけでなく、受けた側・武力など使う必要もなかったはずの罪ない人々をも憎しみにより思想を極端なものへと捻じ曲げてしまう。
この映画にも、そういうシーンがあった。
武力による解決は物理的だけでなく精神的にも取り返しのつかない傷、凄惨たる被害を生んでしまう。
本当にNo Warです。Non-violenceです。
社会はすぐには変われないけど、このような映画を通して、一歩ずつ一歩ずつ武力がなくなる世界となってほしい。
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