Sachika

ベイビー・ブローカーのSachikaのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.2
僕たちは皆嘘つきだから。
血の繋がりもない・家族でもない、チグハグな関係性の中で、当事者・外から見ている人、色んな角度から親子を知り、家族を知り、成長する。
愛とか絆とか、陳腐な言葉では描ききれない “それ” が、嘘で溢れた関係を真実のものにしていく。

「生まれてきてくれてありがとう」
物語は赤ちゃんポストに預けられた子供を売りにいく、ベイビーブローカーと、その母親、追う警察。
個人的に、ニセモノの家族から本当の家族へ変化していくイメージがあった監督の作品から、家族“らしく”なった人達のその先へ。
私はまだ子の親ではないけど、是枝監督が描く親子の物語は、やっぱり考える物があるなあ。

試写後は現在韓国にいる是枝監督から、リモートで直にお話を聞けて嬉しかった。
Q&Aで観客の質問にも答えてくださったのだけど、ワクワクする話がたくさん聞けて、公開後もう一回観る時に、気にしたいポイントがたくさんできた!
それからこちらまでドキッとするくらいの際どい質問(ちょっと失礼にも感じるような…)まで、答えにくい話も笑顔でお話しくださる監督にあっぱれ。
ありがとうございました!

お土産に辛ラーメン・焼きそばをいただきました。
是枝監督の作品って『そして父になる』の焼き餃子、『万引き家族』のカップ麺に浸したコロッケ、そういう食事のシーンが印象的なイメージがあるから、今回は辛ラーメン啜ってるなって思ってた笑
あと韓国おでん?みたいなやつ。


メモ
・3つの箱の話(赤ちゃんポストのBOX、車の中、社会)
・車の外から、昔見た映画で使われていた音楽が聞こえたシーンでかかっている曲は『マグノリア』で使われている曲
・登場した赤ちゃんはすごく楽な子だった。(目で自然とソン・ガンホを追ったり、人の顔を触ったり、自然なシーンがたくさん撮れた)
・カン・ドンウォンに海進役の子がなついていた(おもちゃを買ってあげたり、遊んであげたりしていて)。そのため後半に進むにつれ、海進役の子はカン・ドンウォンの隣にいる子が多い
・韓国の俳優さんたちも、ぜひ日本に来たいと言っている
・『そして父になる』で女性は子どもを産んだら母性が自然と産まれる。という話で、全員がそうではないと叱られた事による、アンサー的な物語
・『そして父になる』『万引き家族』そして『ベイビー・ブローカー』の繋がり
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