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ベイビー・ブローカーのMALPASOのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.8
映画『ベイビー・ブローカー』

以前、デンマークが制作した韓国の未婚の母親のドキュメンタリーを観た。この映画に出てきたような顔をモザイクで消された未婚の母親の悲痛な別れが描かれていた。映画『ブルーバイユー』にも描かれたアメリカに渡った韓国の里子の問題。度々取り沙汰されるのは、2021年に廃止になるまで、妊娠中絶が違法とされていた背景がある。そして、韓国のカトリックの教会にも、熊本の慈恵病院を参考に作られた赤ちゃんポストがある。

是枝監督の想像と創造力に驚く。「家族とは」「血のつながりとは」といったいったテーマが今回も描かれる。
予想もつかない展開。悪と善、真っ当な人間とは何かを問う。

傑作!

お馴染みのアングルと淡い露出加減で描く是枝裕和監督の韓国映画。

犯罪コメディ・ロードムービー。

主演は韓国の名優ソン・ガンホ。
ソン・ガンホは微妙は心の変化とか細かい表現ができる人。是枝監督の描く登場人物の心の移り変わり、この映画にぴったりだった。ソン・ガンホは『グエムル』のあのお父さんとダブる部分がある。出演は韓国の名優たちなので、ほっておいてもいい演技はするだろうけど、言葉の違う国でいつも通りの演出ができるのはすごい。

言わずもがな、是枝監督は今回も子役への演技演出が上手い。赤ちゃんもいいキャスティング。

このシーンいるかなとか、前半退屈だなとか思うところもあるが、それが後半に怒涛の如く活きてくる。

是枝監督が韓国で映画を撮るのは、昨今言われる「日本の才能の流出」と考える。しかし、これを日本を舞台にしていたら、このリアリティは少なくなっていたことだろう。

試写で、劇中張り込みのぺ・ドゥナが食べている辛ラーメンをお土産にもらった。辛過ぎて、映画同様ゆで卵とかと食べるのが正解。