いよら

ベイビー・ブローカーのいよらのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.9
是枝裕和が描く韓国映画。
初日に鑑賞してきました。


「赤ちゃんポスト」を題材にしたストーリーです。

赤ちゃんを捨てた母親、赤ちゃんポストに捨てられた子を秘密裏に養子縁組させようとするブローカー、そしてそのブローカーを追う刑事。そこにある殺人事件も絡んできてきます。


赤ちゃんを捨てるっていうのは、理解できないけど、育てられない事情っていうのは確かにあるんだよな、と感じます。育てられず、虐待をして…なんてニュースを見たりすると尚更かな。だったら預けられるところに預ける方が子どもにとっては幸せなのかな?でも「捨てられた」ということは子どもにとって大きな心の枷になるわけで…。
どちらにしても難しい問題ですよね。

是枝裕和監督らしいのは、この問題についての良し悪しは述べてなくて、こういう事情がある人がいる、っていうだけなんですよね。
ブローカー自体も、金目的、っていうのはあるとは思いますが、赤ちゃんをモノとして扱ってないっていうことはとてもいいな、と感じました。
赤ちゃんと接している時の、ソン・ガンホやカン・ドンウォンの表情がとってもいいんですよね。大事にしているのがわかるので。
「赤ちゃんを売る」ことを一番願っていたのは誰だったのかっていうのもね。
結局みんなが願うことは、その子が幸せになるように…ってことなんですよね。
セリフも結構刺さるものが多かったです。

ヘジンという、養子になりたくてついてくる子とのやりとりも可愛かったですね。素直ないい子でした。名前のヘジンも海進でヘジン。かっこいいです。演技も上手い!(どっちの意味でも笑)
その5人での雰囲気が本当に家族みたいで良かったです。是枝監督といえば、家族っていうかんじですしね。
観覧車のシーンも、「生まれてくれてありがとう」のシーンも素敵でした。

ただ一つだけ、子どもを捨てた理由がちょっと特殊な気がしてしまい、社会問題としての扱いとはちょっと違うのかな、と感じてしまいました。
まぁ、子どもを想ってるってことは伝わってくるんですけどね。
そしてラスト。それぞれこれからどうするのか、気になる感じでしたね。勝手に想像しておきます。


これ、キャストの当て書きなんでしたっけ?だからかな?それぞれのキャラにすごくハマってました。カン・ドンウォンはやっぱりカッコよかったですね。ソン・ガンホはカンヌで主演男優賞取っただけあって、さすがでした。IUも少し闇を抱えた感じが良かったです。
メインキャストの他にも色んな人出てたんですが、個人的にテンションが上がったキム・ソニョンとイ・ムセン、そしてイ・ドンフィ。脇役でも一癖ある俳優が出ているのが嬉しくなりました。
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