健一

ベイビー・ブローカーの健一のレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.7
韓国映画界が是枝監督を招き入れてくれたのか。
是枝監督が韓国映画に魅了されてしまったのか。
とにかく見事なコラボレーション。
ステキな作品が誕生しました。
本年度カンヌ国際映画祭にてソン・ガンホが韓国人俳優として初の演技賞(男優賞)を受賞した本作。
韓国が世界に誇れる俳優が日本人が監督した韓国映画での受賞ということに韓国の人たちはどう感じているのだろうか・・・

「ベイビー・ブローカー」。
タイトル通り内容もそのまんま。😅
👶ブローカーの二人の男、👶を捨てた謎多き母親、彼らを追う二人の女性警官。
立場の違う者たちが、自らの『行い』を果たすまでのアンサンブルストーリー。

是枝監督は前作「真実」でフランス🇫🇷仕込みを習得したせいかフランス映画っぽさもテイストされていて・・・
韓国映画特有の冷たい描写、是枝監督らしい暖かい眼差し、そしてスパイスとしてチョッピリ😅フランス映画っぽい雰囲気。
この三つの要素が上手くブレンドされていてとにかく終始観ていて『気持ちがいい』‼️
私の中で是枝監督史上 最高傑作 が誕生した!😊

「パラサイト」「流浪の月」に続いて本作でも撮影監督のホン・ギョンピョが素晴らしい仕事をしている。
『大雨の中 赤ちゃんポストに向かう母』
『車の窓に付いた 花びら を悲しそうに指で取る刑事』
『ゆっくり周り上がっていく観覧車。』
どのショットも本当に素晴らしく本作の質の向上に大きく貢献している。

キャスト達の演技は 感情を爆発させるようなことは極力抑え静かに淡々と演じているのが逆にリアルで この辺も是枝監督らしい演出でお見事。
とにかく 本作の主人公(?)のウソンこと このベイビー(赤ちゃん)が超かわいい!

各エピソードを説明なく見せ 終盤に向かうにつれて上手く一本の線にしているこの見事な演出に完全にやられてしまった。
ラスト(終わり方)も良く『幸せなため息』をつかせてくれる。
笑って、泣いて、考えさせられて。
カンヌ上映後、12分間のスタンディングオベーションも納得の最高傑作!


ここからネタバレ!


『あのぅ、おっぱいをあげてもいいですか?』
『えっ? ええどうぞ。ではあちらで。』

ああ。おっぱいあげちゃうんだ。😅
この辺が男には分からない感覚。


ブローカー達を追う警官が雨の中張り込み中に旦那(彼氏?)に車中から電話する。
『この曲聴いて、(聴かせる)覚えてる?あの時見たあの映画・・・』

どこからともなくエイミー・マンが歌う
『Wise Up』が流れてくる。
『この映画』とはわたくしの大好きな作品、1999年の「マグノリア」という作品。
本作のこのシーンのせいで、また「マグノリア」が見たくなってしまった・・・


2022年 6月27日 13:30〜
TOHOシネマズ池袋screen 7
💺198席
客入り 半分以上埋まってた。😊

暑い〜〜〜‼️🥵
都内は3日連続の猛暑日。
まだ6月ですよ! 😡
8月にはどうなっているんだ!
健一

健一