夕暮れの代弁者

ベイビー・ブローカーの夕暮れの代弁者のレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.6
産まずに殺すより、産んで棄てる方が悪いのか?

カジノで借金を背負ったクリーニング店の店主と協会のアルバイトが共謀して、赤ちゃんポストから盗みだした赤ん坊を売ろうとするが、赤ん坊を捨てたはずの母親が翌日戻って来てしまって…と言った話。

様々な過去や事情を抱えた人間達が、赤ん坊を売る為に韓国中を駆け回るロードムービーになっているのが面白い。

望まれなかった生命達へのせめてもの救済まで描かれているのも良いのでは?

個人的には子を棄てざるを得ない親、棄てられた子供、様々な事情で子を欲する人々の葛藤に振り切るか、エンタメに振り切るかにして欲しかったかかな。

先頃アメリカでは人工妊娠中絶が違法であるとの判決が出た様だ。
宗教観等も多分に影響した物では有るが、それがどう云う結果をもたらすのか?

望まれずに産まれ、死に絶えて行く子供達や望まぬ妊娠した絶望によって自ら生命を断つ母親を多く生み出してしまうのは目に見えている。

しかし何が正しいとも言えない。
少なくとも何かを感じ取れる作品だった。
夕暮れの代弁者

夕暮れの代弁者