ジョギングをしていた元社長のもとにかつて自分が解雇した元従業員が現れ、ある勝負を持ちかける話。
騙し騙されの復讐劇のようであり、救いの話でもあった。元従業員は普通に嫌な奴だったけど、結果的に元社長はチャンスを手にすることができたし、あのまま走り続けて欲しいと思った。どんな状況の中でも希望を持ち続けることは大切。
プライドだけで飯は食えないってその通りだけど辛辣。世の中の厳しさがダイレクトに伝わってきて笑うに笑えない。元社長の周りの目を気にせずに汗だくになりながらの全力疾走も痛々しく見えてしまった。走り慣れていない人が急にあんな激しい運動したら膝を壊しかねないだろうに。短い時間で非日常に浸れるのがショートフィルムの好きなところだったのに、現実的すぎて暗い気持ちになってしまった。
不景気なのはどこの国も一緒だし、中年以降の再就職が厳しいのはどこの国でも一緒だと考えると気持ちが楽になるというか、余計落ち込むというか。
シニカルで現実的なコメディは楽しめる時は楽しめるけど、どうせ観るのならもう少し世界に没入できる方が良い。
