B級怪獣エイガ

妖婆 死棺の呪いのB級怪獣エイガのレビュー・感想・評価

妖婆 死棺の呪い(1967年製作の映画)
4.2
ソ連が産んだ愛せるクソワロタホラコメ。ただ当の本人はホラーのつもりか。

まず開幕の『よっしゃー!夏休みだあ!』的なノリで物盗むわ人攫うわやりたい放題の神学生達のシーンで混乱。
『こいつらは悪なのか?でも神学生だよな?』と友達と審議開始。早々から楽しませてくれる。

そしてその問題が解決しないまま神学生がババアに肩車された状態で飛躍する。しばし空の旅を楽しんだあと雑な着陸に怒った神学生がババアをボコボコにする。するとババアがそれはそれは綺麗なお嬢さんに変身。もちろんお嬢さんは死ぬ。

このあらすじは真実だが、見なきゃ何言ってるのか分からないと思う。見ても分からないけど。

そこから少し退屈な時間が挟まりいよいよ本題。3夜に分けて神学生が殺しちゃったお嬢さんに祈りを捧げることに。ここからがもう最高に馬鹿で超楽しい。

まずパントマイムね。見えない壁をパントマイムで表現する映画初めて見た。超かわいい。しかも最初の方はパントマイムで成立してたっちゃしてたが、途中からぐるぐる走り周りながら見えない壁を表現しようとするため、パントマイムになってない。ただのシャドウボクシングをする可愛いお嬢さんオバケに大爆笑。真顔なのがまた良い。ネタでやってる訳じゃない感が最高に素敵でハイセンス。寒くなってない。
で地味にこの第1夜のシーンで好きなのがオバケの去り際。人差し指を立てて小刻みに震えながら『コノ…おま…覚えとけよ…!☝️💢』みたいな仕草をするお嬢さんオバケにまたも爆笑。

で最高に盛りあがってきた所にまた爆弾を仕込む。第2夜。棺桶にかなりの速さでライドするお嬢さんオバケに衝撃を受けた神学生が外に出たあと『音楽が必要だ!!』と嘆いてイッちゃってる目で踊り狂うシーンが死ぬ。笑い死ぬ。その踊り見てる周りも笑いながらちょっと関心してるのもガチで吹く。謎に和やかな雰囲気が楽しい楽しい。

そして「明らかにそうは吠えてないやろ」なアフレコ犬が吠えて笑ってから第3夜最終盛り上がりパートへ。是非この3夜目をしかと目に焼き付けて欲しい。

『『まぶたあげてくれない?なんも見えん。』』

いやあ最高だった。最初は混乱したがマジで愛せる映画だったね。カルト映画や変な映画、B級映画の笑えるノリ好きな人はマストバイ。温かい目でソフトを棚に戻して「そんな見返さないだろうがお前はこの棚から一生離さないぞ」と誓った。