イベリー子豚

整形水のイベリー子豚のレビュー・感想・評価

整形水(2020年製作の映画)
3.7
これまた韓国は取り入れるよねぇ~
社会問題を~アニメにまで~しっかりエンタメして~
と唸っちゃいました。


日本はアニメ大国、文化の発信地だなんて
勝手に驕ってたらいけませんね。
思えば2次元に風刺とか社会の闇を入れた
商業作品って案外ないですもんね。

今年の細田監督は内容とマッチしてなかったし
国内だと基本ファンタジーかバトルか
青春ラブストーリーですもんね名作多いですけど。

この作品は韓国のウェブコミックで
大人気のオムニバス・シリーズ「奇々怪々」の1つ。
中国も海賊版サイト経由で全国的に盛り上がり
世界市場をターゲットに制作されたとのこと。


映像としては
確かにポリゴン感はないが少し強ばっていて
「ヌルヌル動く」ハリウッドや2Dでは
トップレベルの日本には見劣りします。
漫画のような集中線もさすがにダサい……
でもそれが逆に作品のイビツなイメージに合ってる
と僕は思います。
むしろ「オッパさん、作画うんぬん申されてる時点で
ルッキズム全開になってやしませんか?」ですね。

何よりも日本のやや幼児的にデフォルメされた
頭身にはない、ラブドール的な「人工的な性」が
めちゃくちゃ艶かしい。

あの鎖での宙づり拘束体勢は
日本の発想じゃ出来ないです。


ストーリーにしても
リアリティや科学的整合性、細かい心情を
背脂ギトギト、にんにくマシマシ、キムチドカ盛りの
「視覚的な凄み」でぶっちぎっちゃってるし。

胸クソ悪いキャラしか登場しない徹底ぷりに
枕営業、セクハラ横行の芸能界、
弱小事務所は美人でも通販番組しか出れない
業界のパワーバランス。
整形以外の韓国の闇もこれでもかと
マッチポンプして作品をブーストしてます。

ちなみに主人公のキャラクターは監督が
サイコな自己中ぶりを原作より
ダウングレードしたらしいですが
それでもマジで最初から最後までムカつきますね。


ただ散々、褒めてはみたものの
やっぱり単純に面白さだけで勝負すると
「恐怖」や「ディテール」の面で韓国実写映画には
及びません。



僕が思う魅力としては
『週刊ストーリーランド』的懐かしさ、
アニメと社会問題×ホラー・スリラーという試み、
映画通が大好きな90分未満という上映時間だと思いますので、
もっと気軽に鑑賞するのをオススメします。

ちなみに『冷たい熱帯魚』が生理的無理な人はNGですかね。