Ryoko

ザ・ライフルマンのRyokoのレビュー・感想・評価

ザ・ライフルマン(2019年製作の映画)
4.2
ラトビア映画を始めて見たけれど、凄まじい映画だった。
「ライフルマン」という邦題は違うと思う。母を殺され、父・兄とともに兵役に志願した17歳のラトビア人少年の目線を通して、第一次大戦下のラトビアの悲劇が描かれます。
正直あまり印象がなかった国だけど、第一次大戦中に人口が半減したという事実に驚きます。
大国に翻弄される小国の苦難がよくわかる。敵はドイツ。ロシアを後ろ盾に戦うが、ロシア革命によりソ連が誕生すると社会主義の不穏な空気が流れてくる。戦争シーンの緊迫感もさることながら、思想違反の罪でソ連軍より友人を殺害するように命じられるシーンもショッキングだった。
もとになった小説の作者は、この戦争に実際に従軍していたそうで、のちにソ連により処刑されており、小説もソ連では禁書になっていたとのこと。映画化を実現した作り手の執念を感じる作品です。
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