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ジャンヌの牝馬のtetsuのレビュー・感想・評価

ジャンヌの牝馬(2019年製作の映画)
3.6
ショートショートフィルムフェステイバル & アジア2020のオンライン会場で鑑賞。

1959年、ベトナムのサイゴンで生まれたジャンヌ。
一頭の馬と出会い、交流を深める彼女だったが、時代は残酷な運命へと突き進む。

「サイゴン陥落」を経験した女性の壮絶な半生を描くアニメ。

水彩絵の具の淡いタッチと、灰色・黄土色などの落ち着いた色調が印象に残る映像。

戦車が出動し、銃弾の雨が降る中、命からがら町を脱出した主人公が、船から見る「サイゴン陥落」の様子が、やけにリアルで恐ろしかった。

あまりにも多くの物を失ったヒロインが、それでも懸命に生き、迎えたラストシーンが本当に美しい。

歴史を知る上でも、観る価値のある戦争アニメだった。
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