60年代後半から70年代初頭にかけて活躍した伝説のロックバンド、ドアーズを題材にして2009年に製作された、初のバンド公認の劇場用長編ドキュメンタリー映画
・
監督は、ジム・ジャームッシュ作品の撮影監督などで知られるトム・ディチロ。ナレーションはジョニー・デップが担当している。
・
UCLAで映画学科に通っていたジム・モリソン(同級生にフランシス・フォード・コッポラがいた)が、メンバーに出会った頃から、亡くなる71年までが描かれている。
・
モリソンが1969年に監督・主演した幻の映画「HWY(ハイウェイ)」やオリジナルの映像とジョニー・デップのナレーションだけで構成されているのがすごい。
・
カウンター・カルチャーの真っ只中で誕生して、瞬く間に若者に崇拝されたロックスター。時代の雰囲気と知られざるドアーズの姿を知ることができる。未公開音源なども収録されているから、ロックファンなら観ないわけにはいかない。
・
ロックスターになるべくしてなったジム・モリソン。彼はスターであることを受け入れ、ロックスターを演じていた。売れすぎたことによるストレスはあったみたいだが、本物のロックスターがそこにはいた。
・
ロック好きなら有名な27歳のジンクス。ブライアン・ジョーンズ、ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリックス、ジム・モリソンと立て続けに亡くなり、20数年後にはカート・コバーンも27歳で亡くなった。
・
全員、誰もが認めた天才であり、短い人生で歴史に残る音楽を産み出した人たちだ。もちろん全員好きだし、この人たちが亡くなったことは、あまりにも悲しい。
・
よく、儚く散った人たちを線香花火に例えるが、この人たちの光はそんなものじゃない。三尺玉ぐらいの花火のように、豪快に世界中に鳴り響いて散っていったのだ。
・
このドキュメンタリー映画を観て、激動の時代を感じながら、ドアーズという時代のカリスマと、ジム・モリソンという特大の花火に見惚れてもらいたい。