なちゅん

レベッカのなちゅんのレビュー・感想・評価

レベッカ(2020年製作の映画)
4.2
ヒッチコック版は見たことがなくて、というか知らなくて、ネトフリのリストに上がってきて気になってたので視聴。
これは良作。スリラーというよりはミステリー。

ずっと前妻であるレベッカと比較されるド・ウィンター夫人は可哀想だけど、レベッカ自身もダンヴァース夫人も可哀想だった。
真実を言うのはレベッカのプライドが許さなかったのかもしれない。奔放に生きた女主人として、夫に殺されるというセンセーショナルなエンドを選んだのかもしれない。
もしくは「安堵したようだった」というのは、最期に心から愛した人に手を掛けられたからかもしれない。

意地悪なご婦人の下でコンパニオンを努める主人公と、半年前に妻を喪った以外は富も名声もなんでも持つマキシムが恋に落ちる姿はときめきと煌めきでいっぱいできゅんとしたし、その後結婚してダンヴァース夫人とレベッカの幻影に苦しむ中で、頭の回転が速く冷静で逞しい女主人と、前妻に囚われて憔悴しきって頼りなげなその夫という構図になってたのが好きだった。
最初のグイグイ引っ張るようなマキシムもカッコよかったけど、パワーバランスが逆転して、弱々しくなったマキシムもちょっと好き。アーミー・ハマー、かっこいいんだよなあ。

よく考えたら、ジェイン・エア的ね。
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