いち麦

カムバック・トゥ・ハリウッド!!のいち麦のレビュー・感想・評価

5.0
散りばめられた小ネタでクスッとなり、キモの大ネタで大笑い。大化け的展開も楽しい。よくある“お達者”ドタバタ・コメディだが、劇中の西部劇『西部の老銃士』が現代風なうえに、映画が如何に映像の芸術かを改めて訴えかけてくる威力があり侮れない。数多くの映画ネタに限らず、ジョージ・ギャロの並々ならぬ映画愛が窺える。嵌められ役のT.L.ジョーンズは愛おしくなるくらい美味しい役処だった。 Edロール途中に流れる、おまけシーケンスまで愉快…お見逃しなく。お気に入りコメディ作品の一つに。

《覚え書き》
…気になるオリジナル版はハリー・ハーウィッツ監督『The Comeback Trail』(76分,1982)。デューク・モンタナを『密林の王者』に主演、元競泳選手でスタント俳優のバスター・クラブ が扮しこれが彼の遺作となった。G.ギャロ監督はたまたまこの映画の16ミリ未完成ラフカットを見かけ、出来栄えは良くないもののコミカルな設定に惚れ、権利者探しに奔走したようだ。気になるのは幾つかの大ネタが、このオリジナル版譲りかどうかだが…。 1982年の作品なのに殆ど見た人がいないようで商業的に公開されたのかも怪しい。
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