もものけ

カムバック・トゥ・ハリウッド!!のもものけのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

奇跡はどこで生まれるかわからないのよねぇ〜……。

ハリウッドで成功を夢見るマックスは、自身の映画会社で製作したB級映画の新作「尼さんは殺し屋」が、キリスト教団体から大批判をくらい興行収入が入らなくなりピンチを迎える。
製作費を借りた危ない相手レジーが、35万ドルを取り立てて期限を付けたので、マックスはハリウッドで成功した弟子ジェームズに、金の無心をする羽目になってしまう。
しかし、ジェームズはマックスが権利も持つ最高傑作「パラダイス」の権利が欲しくてたまらなく、買い取りたいと申し出るがオスカー賞すら狙える自信作をダメにされると、頑として譲らなかったのだが…。


感想。
ここ最近、シリアスやアクション、果てはコメディ作品にまでニコラス・ケイジばりになんでも出演するロバート・デ・ニーロが、「ジョーカー」以来に最もハマり役だと思えるコメディ演技が最高だった作品でした。

幻の名作脚本「パラダイス」を映画への情熱の欠片すらない、典型的なハリウッド興行主義の弟子ジェームズに渋々渡して、残念の余りに泣き崩れるおじいちゃんが可愛く笑えてしまい、人気だけのクズ役者に主演させるのだけは止めてくれと懇願したり、事故死して主演がおじゃんになるや、ハッピー極まってはしゃぐロバート・デ・ニーロが、めちゃくちゃ笑えて面白いです!

そして個人的におじいちゃん役者で最も大好きなトミー・リー・ジョーンズが、落ちぶれた役者でロシアンルーレットをしながら嘆く老人俳優を、深みのある演技で貫禄を見せつけてくれます!
コメディ作品がよく似合います。

この二人が共演するだけでも、凄いです!

モーガン・フリーマンは、あまりにも良心的なイメージが強過ぎて、ギャングのボスという役柄ではない感じなので、当然ながらのサミュエル・ジャクソンが適任だったようにも思えましたけどね。

映画に情熱があるけどB級映画のプロデューサー程度で、小物のダメダメなおじいちゃんの弟子が、主演の俳優が事故死しただけで、保険金500万ドルもあっさり手に入れる現実にガッカリした反面、それを詐欺にして金儲けをしてやろうとするマックスが、より小物ぶりを出していて面白いストーリーでございます。

西部劇で荒くれ者アクションなのに女性監督を起用したり、過去の栄光だけのデュークに期待せず、せっせと事故死させようと罠を張るマックスですが、思いのほかデュークが役者として根性があり、なかなか死んでくれずに焦ります。
しかも、アクシデントまでも撮影してシーンに取り込む監督の手腕で、皮肉にも傑作となるほどの作品に仕上がっていってしまいます。
これにはレジーも感動してしまい、ラストは最高傑作として作品が成功する、落ちこぼれが成功するサクセスストーリーとなって終わります。

とても奇跡と夢が溢れた、コメディ作品であり、観終わった後に微笑みが湧き上がるいい映画でした!

オチに失敗作品「尼さんは殺し屋」のグラインドハウスムービー的予告編まであるので、クエンティン・タランティーノ監督作品を彷彿させてくれました。

内容はシンプルで、感動があるコメディ映画という感じで、それなりに楽しめましたので、3点を付けさせていただきました。

トミー・リー・ジョーンズは、ほんとうにいい役者です。
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