緑青

恋人はアンバーの緑青のレビュー・感想・評価

恋人はアンバー(2020年製作の映画)
3.5
とても良い映画、しんどくてとても良い映画なのだが、最後の展開で動揺しすぎてきちんとした感想が書けない。
私はそもそも恋愛や性愛について興味が薄く、あのような状況に置かれたら地獄を超えた地獄で、観ているだけで気が滅入りそうだったのだが、そういうものから解き放たれた異性の「友だち」がいることの尊さがほんとうにわかるので、しみじみと良さを噛み締めて観ていた、が、最後の最後で心臓がヒュンと音を立てて固まってしまった。なんてことを。嗚呼、アンバー。
先にいろんなことに気がついて調べて知って必死で顔を上げて「ここではないどこかへ」行こうと決めて生きてきたのはアンバーなのだ。確かにエディの人生の曲がり角はあの瞬間にあったのかも、確かにラストチャンスだったのかもしれないが、それでもなぜ、それが彼には許されるのか。
「良い女の子は天国へ行ける、悪い女の子はどこへでも行ける」という名言を思い出すたび、「いいかい女の子たち、悪くなくたってどこへでも行けるんだ、どこへでも好きなところへ行けるんだよ」と言ってあげたくなる。どこへでも行けるんだ。だから、無責任だけど、お願い、もう少し頑張って生き延びて、アンバー。行きたいところへ行って。どうかお願い。
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