りか

らせん階段のりかのレビュー・感想・評価

らせん階段(1946年製作の映画)
3.8
ホテルでの映画上映会🎦
無声映画に合わせてピアノの生演奏がストーリーを盛り上げている🎹⚡
上映されている作品は「The kiss」
劇伴のベートーベンのピアノソナタ「悲愴」第一楽章にぴったりなバッドエンドだった😭

上映が終わると同時に、上階の部屋からけたたましい物音が...💥


ある街で起こる連続殺人事件

被害者はどこか身体の不自由な女性ばかり

主人公のヘレンはとあるお屋敷でメイドとして働いている
清楚で純真なヘレンは皆に可愛がられているようだ
ただ、彼女は幼い頃に起きたことのショックで失語症を患っていた
彼女は襲われても声も上げることが出来ない、電話すらかけられない

もうこの設定で、彼女が襲われるんじゃないかとゾワゾワし始める



幾度と映し出される殺人現場を覗く犯人の眼👁️

どこからか覗いているのだろうか👁️
いったい誰なのか👁️

中盤あたりで、その眼が誰なのか気がついてしまった!👁️
その瞬間に背筋がゾッとした💦

あっ、次は私だ...


そこからは犯人が分かってるのに、ハラハラしっぱなし...

そして、最も胸糞だったのは犯行理由...



怪しいと思えばとことん怪しく見える

先入観って恐ろしい
真実が見えなくなるから




短尺の今作には無駄な描写が一切なかった✨
脚本、カメラワーク、インテリアに至るまで、全てが張り巡らされた伏線✨
モノクロ作品ゆえの光の美しさは陰の深みを一層引き立てる✨
失語症ヘレン演じるドロシー・マクガイアの表情はまるで声が聞こえてきそうなほど豊かで可憐だった💕

真上からだけでなく様々な角度から映し出されるらせん階段🌀
お屋敷の豪華な階段と対照的な地下へ通じる質素ならせん階段

このらせん階段こそが人々の運命を支配し、今作の全てを物語っていた気がした
りか

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