Omizu

らせん階段のOmizuのレビュー・感想・評価

らせん階段(1946年製作の映画)
3.8
【第19回アカデミー賞 助演女優賞ノミネート】
ゴシック的な雰囲気のあるなかなか面白いサスペンス映画だった。寝たきりの老婦人を演じたエセル・バリモアはこの2年前に『孤独な心』で助演女優賞を受賞、そしてこの作品でも再び助演女優賞にノミネートされた。(ちなみに受賞は『剃刀の刃』のアン・バクスター)

演出として映し出される目のアップが強烈!特に最初にクローゼットから覗く場面は「ヒッ」って声出た。

これもまた家族の呪いがキーになった作品で、ヒロインが声を出せなくなった原因も家族の喪失が原因だし、犯人の動機もそう。ネタバレだから言えないけど。

誰かいつどこから出るかという動線がしっかり組み立てられているし、伏線の張り方も巧み。

短い上映時間だけど詰め込みすぎず急ぎすぎずゆったりと進めていき、最後15分間で一気にスペクタクル的見せ場を展開するのがとても上手い。

屋敷の美術も素晴らしくらせん階段という装置が活きていた。特に鏡の使い方がいい。この監督すごく上手い。他のも観てみたい。
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