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炎のデス・ポリスのbackpackerのレビュー・感想・評価

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)
3.0
「プロの殺し屋vsワケあり詐欺師vsイカれたサイコパスvs正義感溢れる新米警官 どいつもこいつもゲス野郎」
……うーん、惹句に映画が負けちゃったなぁ。

原題は『COP SHOP』(警察署)。直球まんまなタイトルです。
景気の良い音楽と共に、ババン!と映し出される『COP SHOP』の文字。COPは青SHOPは赤という、警察車両のランプカラーで彩られ、その後のスタッフロールも同配色。この賑やかなオープニングだけで、かなりニコニコな滑り出しでした。


ただ、惹句やトレーラー映像でイメージしたような、イカれた連中の乱痴気騒ぎを想像していた身としては、どれもかなーりマイルドな仕上がりで、ボンクラ度合いが足りません。
イカれた連中並みにクセ強な警官達も含め、折角の我が強い個性派キャストが出ている割に、中弛み感が酷いのも残念。攻め手側に濃いキャラをもう5〜6人は配置した方が良かったんじゃないかな。欲をかきすぎか……。
特に、中盤から登場するサイコパス殺人鬼のアンソニーは、正直幻滅してしまいます。全然サイコ具合が伝わってこないんですよね。

クライマックスのドンパチは結構見応えありますが、手に汗握るカメラワークや演出があるとか、見たことのない画期的展開とか、そんなことは全然なく、実にこじんまりと収まっていますね。


似たようなシチュエーションのバイオレンスアクション作品では、『ジョン・カーペンターの要塞警察』という金字塔があることもあり、見劣りするのは仕方ないところ。
ただし、ボンクラ映画好きとしては、こういう午後ロード枠の作品が劇場でかけられるのはありがたい限りですので、こういうアホな映画のロードショーがなくならないよう、売り上げに貢献していきたいところですね。
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