コリン・ファースには哀愁漂う中年男性役がぴったりとはまる。彼の話す英語がやっぱり好き。
目は口ほどに物を言う、というけれど、正にそれを実感する作品だった。
至る所に登場するガラスや鏡、それに写り込む俳優たちの姿。
あるいは、対峙する俳優たちの間でやり取りされる視線の絡み合い。
こちらを見つめ返してくる眼差しに、恐怖や躊躇いや混じり気のない熱情を感じて、たじろがずにはいられなかった。
美しくも悲しい音楽の中、水の中で溺れる男性の絵で映画が始まるけれど、物語の後半になって、それが何を暗示していたのか見えてくる。
視線・息遣い・画面の色彩・音楽、どれをとっても本当に計算し尽くされていて、その細やかさが物哀しい雰囲気と相まって、何とも言えない切なさを醸し出していた。
1つ気になるのは、確かにジョージとチャーリーの関係性は重要なものだと思うけれど、カバーや粗筋であまりにも2人の関係が大きく取り上げられ過ぎている気もする。まだまだ男女という構図は大きな影響力を持っているのかもしれない。
最後に、
ニコラス・ホルトとマシュー・グードの2人がやっぱりとんでもなくかっこいい。
Note) I somehow thought he looked rather familiar although we met for the first time in June (or was it in May), but now I know the reason; he resembles the actor very closely.