「眼差し」で出来た映画。他者からの視線、自分の視線、過敏なまでに掬い上げられていて目が離せない。画面の誰もがじっとこっちを見つめている。デザイナーであるトムフォードにとっては世界は常に視線との戦いで、視線への強烈な感受性がそのまま作品に花開くのだろうと感じた。
映像がとにかくきれい。どのシーンで止めても絵になる、洗練された画面。特にアップで撮られたところは、それぞれの俳優が持つ美しさを見事に捉えてる。ジョージの心が一瞬ほぐれるときに画面の彩度を上げるという演出が良い。それが長くは続かないあくまで一時的なものというのも良い。気持ちの緩急。
男性陣がまあきれいできれいで…色気がとんでもなくて…トムフォードに見えてる視覚的世界最高じゃない？美しかない ニコラスホルトの目は本当に吸い込まれそうだし要所で往年のディカプに通じるものがある マシューさんの破壊力もすごかった そら女性に出る幕ないわ…とあっさり白旗上げちゃう…
ただ美しいのは視覚的な世界だけで物語はひたすらつらいし容赦なく谷底へ突き落とす系で、ノクターナルアニマルズもそうだったけどトムフォードの生きづらさが心配になる 息出来てます？大丈夫？
壮絶な犠牲の上に作り上げられた美というかんじ 重みが違う…
