映像:⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
音楽:⭐️⭐️⭐️⭐️
ストーリー:⭐️⭐️⭐️⭐️
泣ける:⭐️⭐️
笑える:
怖い:
ためになる:
これは!!!素晴らしい!!気高い雰囲気が漂う良作です。
【あらすじ】
恋人ジムを不慮の事故で失った大学教授のジョージ。生きる意味を見失い、世界は灰色に見える。
そんな彼が死ぬと決めたその日を描く。
【感想】
ファッションデザイナーー、トム・フォードによる初監督作品。
ザ娯楽!的な映画も好きだけど、独特な雰囲気を持っていて、静かに熱いこういう映画は、普段使わない感性を刺激してくれる気がして、とても好き。
(似た系統だと、こちらはレズビアンの『キャロル』とか『アデル、ブルーは熱い色』も雰囲気のある映画。)
たらたらと2テーマほど。
・ファッションと気持ちの連動
ジョージの気持ちの変化は、如実にファッションに現れている。死ぬ準備を淡々と進める時はきちんと整ったスーツと眼鏡を身につける一方で、恋をしている時はリラックスした普段着をゆったりと着ていたり(あるいは何も着ていなかったり)。
シャーロットにしても同様。他人も自分も信じきることができない不安定な感情を覆い隠すように、彼女は過度に目を強調して髪をゴージャスにしてセクシーなドレスを着ている。
自分自身を振り返ってみても、ファッションが気持ちを表していることもあれば、逆にファッションが気持ちをコントロールすることもあって、そんなファッションの面白さを感じることのできる作品。
・コリン・ファースの演技
『英国王のスピーチ』、『マンマミーヤ』、『キングスマン』など、多ジャンルの有名作品において重要な役を演じるコリン・ファース。本作を観るまではハリー(キングスマン)がこれ程までにハマる役者ってコリン・ファース以外にいるの?ってくらいしっくりきていたけど、本作を観ると、本作のジョージのしっくり度がハリーのしっくり度を上回ります、確実に。
視点の位置、口角の動き、所作など、セリフ以外の要素で感情を伝えるこの俳優の素晴らしさが、これでもかというほど感じられる作品。
あと、まるで何か神聖な儀式のような張り詰めた空気の中で、淡々となされる死ぬ準備が凄くエレガントで気高かった。このシーンだけでも切り取って観る価値あり!
これはもう一作も早急に観なければ!!