ぴよまろ

ポプランのぴよまろのレビュー・感想・評価

ポプラン(2022年製作の映画)
2.4
上田慎一郎脚本監督作品。ある朝、自分のイチモツが「家出」したことをきっかけに、自身のこれまで関係のあった人々と再会しながら、自分の人生と向き合う物語。

B級感溢れる物語のスタートでしたが、物語の本筋は、会社を大きくするために、友人・家族を捨ててきた若社長の、人生の振り返り。きっかけはど下ネタですが、やっていることは真っ当なヒューマンドラマなので、下品さはありません。(たぶん笑)

イチモツがネタになっているので隠れがちですが、マンガがモチーフになっていることが面白いです。勇気をもらった言葉はマンガだし、自分が何もかを思い出すきっかけになったのは自分が昔描いたマンガだしで、上田監督らしい、作り手への愛が溢れていました。

「自分が誰か思い出せ」と、大事なものを見つけにいくロードムービー的な物語。物語として真っ当なのですが、それゆえに面白ポイントがイチモツ関連ばかりなのがもったいなかったです。また、主人公の田上が、あまり応援したくなるタイプの人ではなく、その彼が、彼の大事だった人との再会が同じように続くだけなので、もうひと展開欲しかったところです。(上田監督だから、尚更期待してしまう。)

上田慎一郎監督の構想10年作品という期待値が高すぎて、肩透かしを食らった印象ですが、真っ当なヒューマンドラマとしては楽しめる作品でした。
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