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ハッピー・バースデー 家族のいる時間のEDENのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

1/29/2022

私は「家族ドタバタ」な映画が好きなんだけど、映画ってなんだろう、と思いながらこの映画観てた。

要約すれば、「家族ドタバタ」なんだけど、実際は要約なんてできないのが映画。要約したら意味がない。

この映画はまず、室内と外の使い方がうまい。”家でのバースデー会”が主題でも、移動の要素をとてもうまく使ってる。家の中を流れるようなカメラで映していく流動性。特にweedを吸いたい2人が、不動産屋とクレールから逃れようと半おにごっこのような形で家の中を移動していくところのカメラワークは完璧。

昼食は外で、帰ろうとする彼女を駅まで追いかける、weedを買う、車の事故に会う、クレールは不動産屋へ行く、と、外の空気を入れることで流れが出て、閉塞感で苦しくならない。車からの景色がまた良く、それこそ小津的な画 (ランチの画も含め)が良い。

音楽の使われ方も好きだったが、ジュリアンの使われ方が雑だし、クレールの人種差別発言も、もうちょっと誰かが突っ込むか、怒ってくれないと、容認のようで納得いかない。

あと、ジュリアンの演奏を夜には聴けるかも、というセリフから、演奏がクライマックスになるのかと思ったけど、序盤から使われていたのは拍子抜け。でも、まぁ、映画の中の演奏がサウンドトラックとなる演出は好き。

なによりも、喧嘩のきつい空気と、幸せな時間の、緩締の使われ方が良い。劇、ダンス、そして最後のバースデーケーキは、ちょっと泣きたくなってしまった。

今冒頭を見返しているんだけど、子供たちが門を開けて、物語がそこから始まっていく、というのがまた良い。
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