FREDDY

ハッピー・バースデー 家族のいる時間のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

セドリック・カーン監督がカトリーヌ・ドヌーヴの主演で制作したドラマ作品である本作は、フランス南西部の自然に囲まれた邸宅で母アンドレアの70歳のバースデーパーティーが開かれようとしていたところ、3年前に行方知れずとなっていた長女クレールが突然帰郷し、アンドレアと夫のジャン、長男ヴァンサン、その妻のマリーと2人の息子、恋人のロジータを連れてやって来た映画監督志望の次男ロマン、クレールの娘エマとその恋人のジュリアンら家族たちが食事をはじめるも、クレールの帰郷に家族らが戸惑いを隠せずにいた中で話題にあがった、長男の新事業に関する話を聞いたクレールがポルトガルでヴィーガン向けのゲストハウスを開業するための費用20万ユーロを得ようと邸宅の所有権の売却を促しヴァンサンと口論となったことを機に暴かれていった、それぞれが抱えていた秘密や過去によって巻き起こった大騒動と対峙していく家族の姿を追った作品となっているのだが、全体的に淡々としていて盛り上がりこそはあまりなく人によっては退屈に感じてしまいそうな作品ではあるものの、アンドレアを演じた主演のカトリーヌ・ドヌーヴの存在感やクレールを演じたエマニュエル・ベルコの迫真の演技、ヴァンサン・マケーニュが創り上げた次男ロマンのキャラクター性もまたユニークで、キャスト陣による演技合戦は最後まで見応えがありましたし、内容に関しても前文で触れた通り全体的に淡々としてはいるものの、トラブルメイカーである情緒不安定なクレールのみならず映画監督志望のロマンという強烈なキャラクターによってとある騒動に巻き込まれていく家族たちの姿は単純に見ていて面白く、騒動と対峙した時にそれぞれに異なる対応を見せる妙や相当な出来事でありながらも気づけば騒動を忘れ家族との時間を過ごしていることなど、ツッコミどころ満載で到底理解の出来ない"家族の形"だが惹かれるものがある。ロマンの子供じみた"言い訳"にも注目ですかね。個人的には最後まで楽しめました。
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