ロサンゼルスの警備会社「フォーティコ」では、装甲現金輸送車を運用している。武装警備員が2名から3名乗り込み、日々カジノや銀行を回って現金を回収し続けているのだ。ある日、ここにパトリック・ヒルという中年が新人として採用された。ヨーロッパで警備員として働いていただけあって体力はあるが、射撃を含む入社テストの成績は並。それでも即戦力として、先輩のバレットとデイブの輸送車に乗り込むことになる。そしてほどなく、輸送車が強盗団に襲撃される事件が起きた。バレットを人質に取り自動小銃をぶっ放す彼らに、デイブは素直に集金袋を渡そうとするが、ヒルは猛然と反撃を加えていく。その射撃は正確無比で、テストの時とはまるで別人であった…
「キャッシュトラック」
以下、肝臓・肺・脾臓、そしてネタバレ。
➖➖➖
フランス映画「ブルーレクイエム」のリメイク作品。オリジナルでは普通の中年男が主人公でしたが、本作はステイサム兄貴ですから、素人のワケがありません。現在のヒル、五カ月前のヒル、犯人グループと時制や視点を切り替えて描いていくのは確かにガイ・リッチー調。でも、監督特有のユーモアはカケラもなく、徹頭徹尾シリアスで、無駄のないハードボイルドな作りになってました。ステイサム兄貴のフィジカルアクションを期待したらやや失望するかもだけど、小規模ながら銃撃戦の迫力はまずまずで、特に徹底抗戦する「武器庫の皆さま」には、観客全員拍手を送りたくなるところでしょうな。ジョシュ・ハートネットやジェフリー・ドノヴァン、アンディ・ガルシアなど小粒な脇役たちも魅力的だけど、1番光ったのはスコット・イーストウッド。万年ヒーロー役者からの脱却、出来たんじゃない？
