かこじ

キャッシュトラックのかこじのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
4.0
俺たちのタフで武骨で常に仏頂面のジェイソン・ステイサムが帰ってきた。『MEGザ・モンスター』のような、女子供にデレデレするステイサムはいらない。
ガイ・リッチーはいつもの軽快なユーモアを封印して、シリアスで緊張感漂うハードボイルドを見事に描き切った。

冒頭から現金輸送車の襲撃シーンから、ジェイソン・ステイサムの謎の登場、そして活躍。
そして徐々に、この男の正体と目的が明らかになっていく。
なめてた相手がコックどころじゃなかった。

話が前後して、5か月後、5か月後、3週間後をきっちり把握する必要があるし、途中から全く知らない集団が出てきて混乱するけど、観客に常に「???」を突きつけて考えさせる運び方は、いつもながら上手い。
そしてすべてが明らかになったときの爽快感。

上映終了後、観客たちはステイサムの気分で肩を揺らしながら帰るのだ。
ダークで緊張感たっぷりの、満点クライムサスペンスだった。

スコットー・イーストウッドって、どんどん父親に似てくるな。そのうち、西部劇に出てほしいな。いい役者だ。
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