ぴよまろ

キャッシュトラックのぴよまろのレビュー・感想・評価

キャッシュトラック(2021年製作の映画)
3.6
ガイ・リッチー監督作品。現金輸送車の警備会社に雇われた謎の男”H”を主人公に、ある現金輸送車強奪事件を多面的に描いたクライム×ガンアクション。

物語のあらすじ自体に目新しさはないものの、章を区切り、視点を変えて描くことで、良い意味での裏切りを感じさせてくれる作品でした。本作は群像劇ではないですが、ガイ・リッチーの得意な群像劇的な仕掛けが施されているのが面白く、物語の核心に迫ると同時に、結末までの期待感が高まりました。(ただ登場人物が多いので、誰がどの組織なのかを整理できないと、あっという間に置いていかれるので注意。)

主人公”H”役のジェイソン・ステイサムは、さすが。新人なのに、絶対に怒らせてはいけない男の雰囲気たっぷりです。そして彼の素性が徐々に明らかになるにつれ、あぁやっぱり、、、という謎の納得感笑。おそらくは、この納得感も計算に入れての、あのクライマックスと結末だったと思われます。口数少なく、雰囲気だけでカッコよさを演出できるのは、さすがです。

正直、途中少しダレるところもありますが、作品の見せ方だけでここまで魅力的に見せてくれるのかという、スタイリッシュノワール作品でした。
ぴよまろ

ぴよまろ