スコット・イーストウッドの正しい使い方を始めてみた。ステイサムの右腕を演じるダレル・デシルバの渋味も素晴らしい。警備部隊の紅一点を務める二アム・アルガーも好演している。そして何よりホルト・マッキャラニー。これらの充実した俳優をスクリーンで見れただけでも収穫。
それだけにアルガーや最期になけなしの正義感を振り絞るジョシュ・ハーネットの死に様をハッキリと写さないのは釈然としない。ミニカーを使った作戦立案とカットバックされる現金強奪計画もドン臭い。他にも雑に感じる所は多く、手放しで絶賛する気にはなれない
ただ終盤の車庫内でのもはや観客を疲労させることが目的のような、位置関係すら不明瞭で金網の金属音だけがけたたましく鳴り響き、数発の被弾程度では致命傷になり得ない泥臭い銃撃戦の末、敵味方問わず死体の山が築かれる暴力性は、ハリウッド映画では久しく目にしていない荒々しさを感じた。
