アラシサン弐

女は女であるのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

女は女である(1961年製作の映画)
4.0
「半熟卵いる?」
「つくってくれ」
「条件があるの、子供が欲しい」
なんだこのやり取り。
どうやったら思いつくんだこれ。

カップルの割とどうでもいい日常に、男女の価値観のもつれで三角関係が出来上がるみたいな話だけど、ドロドロさはなくて良い意味で軽い。

哲学的な台詞も倫理的にどうなんだそれっていうような台詞もサラッとしてて妙に清々しく、主人公の妖精感とアホの娘具合でポップ味に拍車がかかっていて、ゴダール初心者の自分でも入り込めた。

台詞も演出も色彩も何もかもが新鮮で、それでいて陰鬱さを感じない謎の華やかさ。

一応ミュージカル、らしいけどやっぱりアヴァンギャルドで他のミュージカル作品と一線を画す。
スピーカーぶっ壊れたと思う程ぶつ切れる音楽に、唐突に歌い、踊り、カメラ目線に語りだす。それが独特のリズムになって気持ちいい。

ツッコミ不在のシュールなカットが矢継早に連打されて、自分は観ていて飽きなかった。
アラシサン弐

アラシサン弐