Jean

女は女であるのJeanのレビュー・感想・評価

女は女である(1961年製作の映画)
4.9
シナリオ自体は「勝手にしやがれ」の前に書いたもので、ジャン=リュック・ゴダールの本当の意味での処女作。またゴダールの初めてのカラー映画。カリーナの鮮やかな衣装や壁の色など、全てゴダールが考えたという。大胆な原色の使い方は、ゴダールのカラー映画の特長になった。また初めてのワイドスクリーンでもある。フランスコープという、撮影方法の違うシネマスコープを用いた。撮影のラウル・クタールは移動撮影やパンを多用し、ワイドスクリーンを生かしきっている。

様々な映画がモチーフとして登場する。
アルフレッドは「生活の設計」を監督した、エルンスト・ルビッチから取ったもの。

恋人たちの家のテレビに移されているのはアニエス・ヴァルダの「オペラムーン」

挿入歌に使われているシャルル・アズナワールは、フランソワ・トリュフォーの「ピアニストを撃て」に出演した人気歌手。

ミュージカル映画なのに実際には登場人物がほとんど歌わない。だからこそ引き立つアンジェラのストラップバーのシーン。

コメディー、ミュージカル、演劇、オペラ、映画、あらゆるジャンルにとらわれず、ゴダールらしい愛の表現をふんだんに表現した傑作。演出が神がかりすぎて本当にどのシーンも思い出深い。

ミシェル・ルグランの音楽が良すぎて早く「シェルブールの雨傘」も観たい。

アンナ・カリーナがゴダールと結婚してたのはびっくり笑 撮影時にもう恋人関係だったらしい。ゴダールの作品中、最も幸福感があふれる作品である。
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