ねぎおSTOPWAR

オクトパスの神秘: 海の賢者は語るのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

4.0
第93回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞‼️
あー発表前に観ておきたかったなあ。

ちょっと前置き長くなります。すみません。


実は昔ドキュメンタリーの制作に携わっていたことを思い出しました。30年も前のことなんでだいぶ記憶もね・・。
自分自身も最初は、ドキュメンタリー番組における"編集"にすんごい違和感持っていたわけです。
「えっ、事実なんじゃないの??」って。

よく言うのはNHKの「シルクロード」ですよ。
砂漠を撮っていて、ナレーションでは「何もない。一面の砂漠」っていうわけです。でも実際カメラの後ろには大きな工場があったと。
これは虚偽なのか??

制作の立場からするとこれはOK。
たまたま象徴的な画を撮っていたのがその場所ってだけで、広大な砂漠なのは真実ですと。

また、アフリカに多いんですけど、部族特有の衣服や儀式、ダンスなどは、もはや自然にはカメラに収められないんです。ヨーロッパの撮影隊が自分たちの価値観で金銭やらあげちゃったので、カメラ向けると「金よこせ」って言うようになっちゃった。
色々な再現もね、普段そこの子供たちはあることをしているんだけど、いつ起こるかわからない場合など、お願いしてやってもらうわけですけどね。
これはやらせなのか??

いつもやっていることならば問題ないというのが撮影側。

で、目撃したのは、社長プレビューの後の再編集指示。
まとめて言うと、ストーリーが弱いから、とある有名な写真を借りてきて、それとの相似をエンドにしろと。それに伴い、もはや構造的変更!素材映像を知ってる身からすると嘘。そしてインタビューの・・なんて言うか部分的な使用・・とでもね、要は「えっ、そんな主旨じゃないよ!」ってわしが思うようなこと。
よくテレビで言葉が一人歩き・・ってあるでしょ。あの背景と一緒です。

これは悩んだなあ。

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さてオクトパス。
タコ目線で主人公を撮るカメラはところどころありました。どうしてもこういうの気になっちゃうんですよ。
また、タコ🐙の彼女と出会うシーンは映像付きでした。海に入るところから。

いえ、難癖つけるんじゃなくて、「いつの段階から、この第三者カメラって一緒に海に入るようになったのかなあ・・」って。
確実に再現あるわけですよ。
でも彼女🐙が映っているのは生前なので、基本彼の撮影した映像がベースですよね。
クレジットではたしかカメラマンで4-5人の名前がありましたよね。空撮で一人、本人が一人で第三者は1-3人なのかなあ。

まあつまり、基本この作品の誠実を信じるんですけど、すると、すっごい人件費と時間を費やしたんだなあと感じる次第。

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素材も含めて、これ研究者は喉から手が出るほど欲しいんじゃないですかね。ひょっとして定説をひっくり返すくらいのネタが撮れてるんじゃないだろうか・・。