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映画 太陽の子のMEのレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
4.0
京都芸術劇場上映会にて鑑賞

本作品を制作するきっかけとなった黒崎監督が日記から感じたパワーを、作品を通して私も目の当たりにすることができたように思う。
何より戦争だけではなく何か辛いことや困難に陥ったとき、絶望するのではなく未来の話をしよう。そんな大切なメッセージを受け取れたことに感謝したい。

戦争について描かれた映画を観たあと、どれだけ自分も画面の中に入ってその事実を感じられたかを考えてしまう。
太陽の子は日本の他の戦争映画に感じる変に暗すぎる暗さみたいなものがなくて、起こってしまった事実に対してどう生き抜くのかを考える大切さを登場人物一人一人から感じることができた。それが76年前の物語をより身近に感じ、作中にも自分だったら何を思って生きていただろうと考えることができた。

1日経った今も忘れられないのは裕之が海に向かうシーンだ。私にとってこの映画の海のシーンが全てとても印象的だった。3人の若者の切迫感や恐怖、不安、生きることへの覚悟と葛藤が自然と対峙する人物の表情に詰め込まれていたように感じた。
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