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映画 太陽の子のmistyのレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
3.5
大戦末期、かつて日本でも極秘裏に進められていた原爆開発と時代に翻弄される若者たち。
科学は世界を変える、戦争をなくすと信じて研究に没頭する兄と戦地へ赴いた弟、未来を夢見る幼馴染。
未来の話をしたかった、生き延びた先の未来が欲しかった。彼らの前に広がる視界いっぱいの青い海。

柳楽優弥の、個を消して役に嵌まるお芝居がとてもよかった。実験が好きで、新しいことを見つけたくて、そこに善悪の物差しすら入り込む余地のない真っ直ぐな目が印象的だった。
そして三浦春馬の儚く痛む存在感とお芝居。その笑顔はどうしてもフラットには見られないよ、やっぱり行ってしまうんだね。

思ってたより歴史をぼかさず描かれていた。京大が今日まで続く強い原子核ゼミを持っていることもこの映画を観れば納得がいくし、日本の原爆開発が京大で行われていたというのもさもありなんと思う。これは私が個人的に知っている京大の話ではあるけど、大学名を伏せなかった選択は肯定したいと思う。
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