Koshii

シカゴ7裁判のKoshiiのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
3.9
とても満足感のある作品でした!!

見応えがありながらも、展開の追い方がとてもスマートで、あっという間にラストを迎えていました。

ある一つの裁判の始まりから終わりまでを描いた作品であり、一般的に法廷でのやり取りは退屈になりがちである。しかし、本作では、余りにも不条理な裁判官の存在や戦争を終わらせたいという熱意を持った被告側に肩を入れたくなる構造なので、ついつい「逆転劇待ち」に誘導される。


暴動を煽動したとされる通称「シカゴ7」。彼らは目指すべき場所は共通しているものの、考え方や、進み方が違うために、裁判を追う中で度々衝突を重ねる。実際の事件が徐々に明かされ、錯綜していた事実は、一つの真実に辿り着く。

圧倒的に理不尽な裁判の結末とは?逆転勝ちを待つ鑑賞者に突きつけられるのは「勝利」なのか?




以下、ちょこっとだけネタバレありの感想が続きます。













登場人物の背景や性格の描写が見事で、それらはストーリーの中で自然に融解している。心の熱くなるラストシーンへと繋がる伏線でさえも露骨過ぎないため、これらの幾つもの要素は次第に膨らみ上がり、結末へと向かう。
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