ねまる

シカゴ7裁判のねまるのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.6
タイトルロゴが出るまでの
政治的文脈の説明と、主要人物紹介のテンポが最高で、
始まりからワクワクする。

政治的でありながら明るくPOPなオープニングはこれから始まる2時間の映画があっという間に終わってしまうほどのめり込むだろうことを予感させる。

どんな話かわかった時の嬉しさといったら。
そこから120分。体感時間は20分程度、私たちはその裁判にのめり込んでいる。

裁判モノでこんなにずっと泣けるなんて思わなかった。
悔しくて泣いたし、
演技力凄すぎて泣いたし、
興奮して泣いたし、
感動して泣いた。
とにかく泣いた。エンドロール中までずっと泣いた。

そして、私は決めた。
今年のアカデミー賞は私はこの作品を応援する。
まだ観られていない作品もあるんだけど、キャスト全員の演技、脚本、テンポある映像、メッセージ全てが大好きで、
全力で、受賞して欲しいとそう思ったんだ。
(アカデミー賞はどの部門もダメでした。
でも、獲って欲しいと思える作品があるアカデミー賞楽しかったです)

ノミネートはされなかったけど、
私の中ではマーク・ライランスが助演男優賞だったかな。
サシャ・バロン=コーエンも、ヤヒヤ・アブドゥル=マーティン2世も、JGLも、エディ・レッドメインもみんなaward級で、
アカデミー賞には無いカテゴリーだけど、
Critics ChoiseでBest Ensambleを受賞したり、SAG awardで作品賞に値するOutstanding Performance by a Cast in a Motion Pictureを受賞した時は、拳を空に掲げたよ。
とにかく全員の演技が圧巻だったので、これだけでも満足ですね。


The whole world is watching!!



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2024.4 再鑑賞
歴史を知らず観ていたので、背景が分かってから見るとより面白い。

彼らが何のために戦っていて、
どうして裁判になって、
その裁判の行方はどう影響するのか。

アビーが10万ドルもらったら止めたのか?何を賭けているのか?と聞かれて「自分の命」ときっぱり言う。
ヘイデンにはアビーがハッパ吸ってコメディをやってる奴にしか見えてないけど、すごく頭もいいし、考えている奴だと分かる。

この作品を通じて、アビーは自らの信念を貫き、あとのキャラクターも同様だが、ヘイデンは変わるキャラクターだから2人の比較が面白い。
サシャにヘイデンは出来ないし、エディにアビーは出来ないだろう2人の唯一無二感。

初回鑑賞から3年経って驚いたのは、
アビーの仲間ジュリーを演じていたのがジェレミー・ストロングで、
ヘイデンの親友レニーはアレックス・シャープだったと言うこと。
なんというキャスト。

ジェレミー・ストロングはセス・ローゲンの降板をうけてだそうだが、隙のないアーロン・ソーキン脚本でも百科事典級のリサーチで監督に詰め寄るっていたという、彼らしい裏話も。

アレックス・シャープはというと、TONYを獲った夜中の〜を観ていたソーキンが唯一の不安はJGLに似てるからと悩んでいたら、キャスティングディレクターにShut the hell up彼を獲得するチャンスを逃すわけがない、と一喝されたとか。

それぞれアビーとヘイデンの2番手に見えるけど、その2人すらも違う考えを持っていて、自ら行動する人間であることがちゃんとわかる。

エディの役はスティーブン・スピルバーグが監督予定だった頃は、ヒース・レジャーがキャスティングされていたんだよね。

2回観ても面白すぎて、相変わらず体感20分。何度観たってラストシーンは拳を突き上げる。
評価を☆4.2→4.6に上げました。
ねまる

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