チョーヒカル

シカゴ7裁判のチョーヒカルのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.1
開始5分で「これ絶対めちゃめちゃいい映画だ…」と確信して全ての作業を中止して観ました。最近見た中で一番いい、2020年のいまにみるからこそいい、傑作だ。

歴史的知識が無くて恐縮なのですが、1968年にシカゴで起きた、ベトナム戦争に反対する学生団体による抗議デモと、そこで「暴動を率いた」として逮捕された学生たちの裁判の様子。

他の方のレビューにも散々書いてありますが、Black Lives Matterのデモや警察による不当な暴力(アメリカだけではなく日本もよ)がより可視化された今だからこそ、見ないといけない映画。

実話に基づく胸糞な展開や不条理で心臓が握り潰されそうになる中で、小気味の良い会話や笑い、こちらまで胸の熱くなる主人公たちの志がより一層輝いています。こんなに重いトピックでもしっかりエンタメ性を保っている。演者が豪華だな〜と出だしで思っていたけれど、いやすごいですね、演じる力。

そしてこれだけの情報をテンポよく、いろいろな方法(ナレーション、実際の映像、回想などなど)で飽きさせず混乱させず、詩的といえるまでにかっこよく見せる脚本監督力…!!ウォォ

50年経った今も権力の濫用と脈々と蔓延る差別はそのままで。正義なんてと思うことばかりだけど、正しさを諦めないことは美しいんだな。もう途中で何回も不条理に泣いていたんですがラストのシーンは嗚咽してしまった。美しくありたいな。