オプティマス

クラウズ 雲の彼方へのオプティマスのネタバレレビュー・内容・結末

クラウズ 雲の彼方へ(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

骨肉腫を患い余命数ヶ月を宣告されている高校生のザック。夢は音楽で舞台に立つこと。親友であるサニーと共に音楽活動を続けていく中、SNSで皆が注目し始め確実に夢へと近づいていく一方で、死に対しても徐々に近づいていきます。果たしてザックは残された時間をどのように過ごしていくのか、感動ノンフィクション映画です。
ライフインアイヤーと同じく、現代のポップソングを多用していることがありました。個人的にいうと今作の方が曲に関しては好きです。気に入る曲も何曲かありましたし、他の曲もそこまで浮いている様子は感じられませんでした。しかし、やはり多用しすぎると音楽の印象が強くなりすぎてしまうので、BGMだけにしたりとか、映像(演技)だけで感動させるようにすると尚いいのかなと感じます。

初めからザックは病気なので、悲劇的な瞬間よりかはジワジワと悲しみが増していきます。最終的には切ない終わり方ですがこの作品は結構ポジティブに描かれています。もちろんザックが自暴自棄になるシーンはありますしその度に胸が苦しくなりますが、歌っているシーンや笑顔のシーンが多いので引きずることなく鑑賞する事が出来ました。
この監督の描き方は悪の部分を取り除いて善を全面的に出す監督のようです。恋人も先生も親も兄妹も終始皆良い人ですし、見ている側も怒りとかは一切なくホッコリとした気持ちになることが多いです。物語を綺麗に映したいというのが、映像からも物語からも凄く伝わって来ました。歌っているシーンなんかはMVのようにオシャレに撮影しているのも印象的です。
綺麗に映しすぎて感情的なシーンに必要以上の台詞を載せてしまう傾向があります。言葉にするだけでなく泣くだけの演技や笑顔だけの演技のシーンも見てみたいなと個人的には思いました。また、ファイブフィートアパートと同じくラストを感動で包み込むような演出していて、最後盛り上げるのもこの監督の手法な気がします。音楽・脚本・演出を気持ちダウンさせた方が個人的にはよりリアルになって作品に入り込めるかなと思いました。