胸糞鬱不条理大好き

ノクターンの胸糞鬱不条理大好きのレビュー・感想・評価

ノクターン(2020年製作の映画)
2.8

芸術の世界で主役の座を射止め、狂気に取り憑かれたまま大舞台へ立ち…といった大まかな流れはブラックスワンを思い出した。

ただ、個人的にはブラックスワンは星5つ評価にしている。
違いは何かというと、主人公が自分の実力で主役を射止め、表現を高め(その過程で他人に主役を奪われぬよう追い詰められ)るため異常事態に陥ったかどうか。
ブラックスワンは、狂気の末、最高の演劇へと昇華した結末があるから美しく芸術のパワーを(良くも悪くも)しらしめた所が好き。
それに対し本作の主人公は自己顕示欲や承認欲求がメインになってしまっているし(もちろんその大本は芸術大成への思いだったろうけど)実力でなくて悪魔?の力で主役を射止めてしまっているものだから微妙に応援しきれなかった。
比べられて焦っていたりと気持ちもわかるけどね。

結局変われなかったのかと、やるせない気持ちと教訓ともとれるメッセージ性も持ち合わせている作品だなと思えます。

変なこと起こるとき赤と緑の照明だったりとベタベタのベタな演出がもはやかわいい。でも凄くきれいなシーンもあり目が満足。