福福吉吉

アンダーワールド:ビギンズの福福吉吉のレビュー・感想・評価

3.5
かつてヴァンパイアはビクター(ビル・ナイ)を長として、ライカン(狼男)を奴隷として使役していた。ライカンでありながらルシアン(マイケル・シーン)はビクターより信任され、優遇されていた。しかし、ルシアンは密かにビクターの娘であるソーニャ(ローナ・ミトラ)と愛し合う関係になっていた。

前々作「アンダーワールド」の前日譚にあたり、前々作を観ているとより楽しめると思います。

ストーリーは、ヴァンパイアの支配から自由になろうとするライカンの反乱を描いており、自然とルシアンに感情移入してしまう作品になっています。

ビクターが諸悪の根源であることがハッキリと分かるようになっており、理性と知性を持ったルシアンを利用し、ライカンを奴隷としてこき使い、また、自分に反抗する人間を容赦なく殺す冷酷さが描かれていました。本当に上手く憎たらしいキャラクターになっています。

そんなビクターの娘のソーニャは、ビクターに反抗的だったり、自分の戦闘能力を過信するところがあったりと、前作までの主人公セリーンと似通った性格をしているように感じました。それでいてライカンのルシアンと恋に落ちる運命もセリーンとマイケルの関係にそっくりです。

ルシアンは人間の姿や獣の姿を自分の意思で変身することができる特別な存在として描かれており、ヴァンパイアの支配に耐えながら自由になることを夢見る姿はどこか人間らしく、共感できました。ソーニャとの馴れ初めが描かれていなかったのは残念でしたが、二人の恋の悲劇的な結末は心に突き刺さるものがありました。そして、牢屋の中で雄たけびを上げ、ヴァンパイアへの反抗を叫ぶ姿はとても雄々しくてカッコよかったです。

ヴァンパイアは人間と同じ武器を使うのでアクションシーンに独自性があまり無いですが、ライカンは獣の姿になって戦うので個性的で面白いアクションになっています。

前日譚としても独立した物語としても良く出来たストーリーや世界観になっていて、とても面白かったと思います。

鑑賞日:2022年9月16日
鑑賞方法:Amason Prime Video
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