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アンダーワールド:ビギンズのレクのレビュー・感想・評価

3.5
本作の主人公であるセリーンは登場せず。
吸血鬼族と狼男族との対立の根源に迫る所謂前日譚。
何故、ヴァンパイアとライカンは対立することとなったのか。
そこにはヴァンパイアとライカン、二人の禁断の愛がきっかけだった。

ここで特筆すべきはヴァンパイアの長、ビクターの冷酷さ。
自分の一族を守る為なら我が娘すらも処刑する。
心の中では我が子を愛しているが、長としての立場上、致し方ない判断である。

そしてもう一人特筆すべきはそのビクターと対立するライカンのカリスマ、ルシアン。
ヴァンパイアとライカンの種族を越えた禁断の愛が最大のテーマであり、二人の結ばれない愛は切なさと哀しさが残る。

アンダーワールド1作目からこの世界観を好きでなければ楽しめない作品ではありますが、自分はすごく楽しめました。
1作目へと紡がれる物語のディテールがこの作品に詰め込まれている。

1作目で徹底的な悪の役割を担うルシアン。
その彼のスピンオフのような作品。
彼をそうさせたのは紛れもなくビクターであり、この吸血鬼と狼男の確執は"アンダーワールド"の根源。
今作を観終わったら前2作を観直すとまた対立する種族間抗争に深みが出ます。

ルシアンの憎悪、ビクターの苦悩、そして何世紀にも渡る争いの元凶。
キャラクターの個性や心情をしっかり描くことで物語に厚みを持たせ、悪役も含めて登場人物への感情移入がしやすくなっている所が今作の魅力的です。
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