仲ちゃん

きまじめ楽隊のぼんやり戦争の仲ちゃんのレビュー・感想・評価

5.0
【『未来世紀ブラジル』や『太陽を盗んだ男』と同じ匂いがする痛烈な風刺ブラックSF】

非常によく出来たシニカル要素満載の作品で、決して〔笑い〕と云う切り口のみで語るべきではない怪作!

ゆるい狂気のオン・パレエドで構成された世界観なので、一見シュールな喜劇だと勘違いする人が多いと思うし、そもそも受け付けない人も多数いると思う。

しかし、改めてじっくり物語を反芻すると、〔ぼんやり〕しているシーンのあちこちに、煮え繰り返っている監督の怒りの炎が、静かに、でも相当な高温でたぎっているのが、感じ取れる。

見終わった後に、何かに似ているなぁと感じて、思い当たったのが、
『未来世紀ブラジル』と
『太陽を盗んだ男』と
藤子・F・不二雄先生の後味の悪いSF短編の数々。
何れも〔笑い〕と云う切り口で評価されてはいない、痛烈な風刺ブラックSFである。

(後で知ったが)ちなみに、監督は『モダンタイムス』を意識しているとのことで、色々なことが腑に落ちた。

閑話休題。全体的には評価は低いかもしれないし、万人受けしないのは承知しているが、それでも、出来るだけ多くの人に色々感じとってほしい、オススメのカルトムービーです
仲ちゃん

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