JUN

大綱引の恋のJUNのレビュー・感想・評価

大綱引の恋(2020年製作の映画)
3.7
2021.05.20

「主婦を定年退職します」という衝撃的なフレーズの予告から気になり鑑賞です。
鹿児島出身の俳優である西田聖志郎出演・プロデュース、佐々部清監督、三浦貴大主演。
「仮面ライダー電王」にて2号ライダーと重要ポジションを演じた中村優一と松本若菜の共演作品でもあります。

鹿児島の伝統行事「大綱引」を軸に、家族の絆、恋、男同士の友情と対決が描かれる。

これは予想以上の良作でした。
「大綱引」が軸になりそうでならない終盤までの展開では、恋に仕事に、母の突然の退職宣言から家事まで、奔走する三浦演じる有馬の姿に、一度は諦めた花形・一番太鼓に任命される展開はスッと入ってきました。
頑張っている姿はきっと誰かが見ている、というようなセリフも相まって、良い展開でしたね。

それに、ステレオタイプな家族や伝統から対立している地域など、自分の地元にも通じる風景、そこから脱して現代的な姿になっていく過程や、
登場人物たちも地域の人たちもどんどん行事に向けて盛り上がっていく様に、テンションが後半に向けてどんどん高まっていく作品でした。

そして終盤に描かれる「大綱引」。
これはまさに圧巻でした。
セリフもモノローグも廃し、若干の演出だけを残して、ドキュメンタリーのように「大綱引」の1日を追っていて、こんな行事があるんだなと勉強にもなりましたし、
三密回避のこのご時世にはもうどこに行っても見れないような、男たちはぶつかり合い観客も密集して大声を出す、こんな光景が今見れただけでも大変満足な作品でした。

また、恵俊彰と沢村一樹は、鹿児島出身として友情出演していたのは、地元住民でなくても何だか嬉しくなりましたね。