1970年代のイタリア。赤い旅団を名乗る組織によるテロ行為で、国内は混乱していた。テロをテーマにした作品を書いているジャーナリスト、デビットはその記事の内容が原因で組織に追われることになる。
硬派な作品が多いジョン・フランケンハイマー監督らしい、リアリズムを追求した作風。巻き込まれるような緊迫感が感じられたかというと、そこは今ひとつ。だが、80年代にお坊ちゃんや優等生な役柄が多かったアンドリュー・マッカーシーが、銃弾が飛び交う場面で疾走したり、危機に立ち向かうような役を演ずるのは見どころ。いつまでも青春スターじゃいられないもんな。
70年代後半のイタリアではテロによる首相暗殺などで不穏な空気があったと聞く。当時イタリアで製作されたコリンヌ・クレリー主演の「ホテル」(77)でも、取り締まる様子が生々しく描かれる。本作では混乱した街の様子を知ることができる。
ブレイク前のシャロン・ストーン、「レインマン」でトム君の相手役だったイタリア美女バレリア・ゴリノが好演。