前髪メガネ

サマーフィルムにのっての前髪メガネのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.3
映画制作青春ムービー!

時代劇映画が大好きな高校3年生ハダシは、所謂ティーン映画と言われるようなキラキラとした青春恋愛映画ばかりを撮る映画部に居場所を感じられずにいた。
脚本を書くも合うキャストも見つからずくすぶっていたハダシの前に、主演の武士役にぴったりの理想的な男子、凛太郎が現れる。
凛太郎との出会いに運命を感じたハダシは、唯一趣味を共有できる親友のビート板とブルーハワイを始め個性豊かな同級生たちスを誘い映画制作に乗り出す。
文化祭での上映を目指して順調に制作を進めていくハダシたちだったが、実は凛太郎の正体は未来からタイムトラベルしてきた未来人だと判明し未来の現実を知る……。

いい青春映画でした。
時代劇映画はあまり多く観ていないのですが、キラキラティーンラブコメ映画を目の敵にするハダシにはシンパシーを感じずにはいられなかった!
でもそのキラキラティーンラブコメ映画へのハダシの感情すらも物語に綺麗に落とし込んでいてお見事でした…!

SF要素も面白く取り込んでいたなぁ。ビート板が序盤読んでいた時かけの小説も上手くニヤリとさせられたし、この"未来"を取り入れたことにより作品に過去と今と未来を同時に存在させていたし、なにより映画の未来についても改めて考えさせられた気がする。
凛太郎が何年後から来たのかはわからないけどそう遠くない未来なことはなんとなくわかる。
今で既に映画館の閉館、レンタルビデオの衰退、オンデマンド普及、1本の映画へ一個人が支払う金額が減っている事は明らかで、この作品はその警鐘と言う程ではないけど、でも少なからず映画好きには恐ろしくなるシーンがある。
いつまでもハダシみたいに映画を愛していたい。そしてそんな10代が増えればきっと未来の映画業界も明るいと思う。


映画制作映画って結構多くて個人的にはそういった映画こそ、監督の拘りなどが強く出ている作品が多い印象なのですが、本作もそれを感じたのがクルーの1人が台詞もなく後ろでひっそり恋をして失恋をして落ち込んでまた実るという一連を本編にはなにも関係のない下りを入れているのをわざと目を引くようなライティングを使って注目を集めたりしていてて面白かったし、殺陣のシーンも高校生の作る映画とは思えない殺陣だったりラストクライマックスも流れをの変え方が独特でとても面白い!

公開中に、また観たい!!
前髪メガネ

前髪メガネ