このレビューはネタバレを含みます
時代劇オタクの女子高生・ハダシは、周囲の友達と少し違う感性を持つ映画好き。
ある日、文化祭での映画制作をきっかけに、自分の理想の時代劇映画を撮ろうと決意する。
仲間に集まったのは、同じくオタク気質の友人たち、そして偶然出会った謎めいた青年・凛太郎。彼は実は“未来から来た少年”だった。
映画作りを通して絆を深める彼らだが、凛太郎には未来に帰らなければならない運命が待っていて――。
青春、恋、友情、そして“映画愛”が交差する、切なくも爽やかなひと夏の物語。
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🎬 レビュー(5点満点)
脚本:3.9
映画作りと青春恋愛を巧みに絡めたストーリー。
時代劇オタクというユニークな設定と、未来から来た少年というSF要素が融合して新鮮。
ただし中盤の展開はやや予定調和的で、もう少し深みが欲しかった印象。
キャスト:4.0
主演の伊藤万理華をはじめ、若手キャスト陣の瑞々しい演技が光る。
特にハダシ役の存在感は抜群で、映画愛と青春のもどかしさを自然体で表現。
凛太郎役の金子大地も、ミステリアスで優しいキャラクターを好演。
演出:4.0
小林啓一監督らしい、柔らかい映像と自然な会話劇。
カット割りやカメラワークが軽やかで、まるでその場にいるような臨場感を生んでいる。
ラストの余韻の残し方も秀逸で、青春映画らしい爽やかさを演出。
総評:3.9
映画好きにはたまらないオマージュと小ネタが散りばめられた、ちょっとマニアックな青春ムービー。
SF的要素はあるものの、あくまで主軸は「映画を愛する若者たちの成長物語」。
エモーショナルな瞬間も多く、見終わった後にじんわり心が温かくなる一本。