よう

ブラック・ボックスのようのネタバレレビュー・内容・結末

ブラック・ボックス(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

記憶障害が絡むスリラー。
記憶を辿っていく展開として『メメント』や『インセプション』を想起。どうりで主人公の名前がノーランなわけだ。
あと、あの治療法、途中までは『眠れる森』というドラマに出てくる治療法に近いなとも。
それもあって特別に斬新さがある話ではないけど、前半で父娘のドラマをしっかりやっているぶん主人公に情が向けられる。
主人公役のママドゥ・アティエ、悩めるいい人感がよかった。

コキポキ動く奴、音そのものは不快さはある。ただ、ありえない場所を動くとか、見せ方的にもうちょい不気味さがあってもいいのに。あまりホラー描写を強調したくなかったかもしれないけど。
自分の記憶が自分のじゃないかもっていうアイデンティティが揺らぐ展開は好み。
トーマスとして娘をあずける所で涙を流すのは、ノーランの記憶が消えたわけじゃないことの伏線でもあるのかな。

繰り返し出てくる「心を支配するのは私」って台詞から既に、実際に支配しようとしているのが母親であることを示していたんだなと。
トーマスがああなったのも親の影響なのかもしれないなと。
そこも含めて、妻が笑っていない家族写真を見て決断する最後も切ない。

トーマスの奥さん、引っ越すなら過去の事件の直後にしといてよってちらっと気になった。いろいろ大変だったのかな。
細かい引っかかりはあるにしても、期待どおりの面白さはあった。
よう

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