M・ナイト・シャマランの新作だし気分転換に......観たら後悔しました。この映画を好きな方には非常に申し訳ないのですが、以下に、僕が本作をこう評価する理由を詳細に書きましたので読んでいただければ幸いです。
①精神的にメタすぎる登場人物たち
皆が困惑してるなか自分たちの心の内を
さらけ出そうとか言い出す精神科気取りの人などがいますが、最もな例で挙げるとするならば、カッパ家の長男トレントが分かりやすいかなと思います。要するに本作の舞台であるビーチは、ただの雰囲気良さげな美しい場所ではなくて、居続けたらどんどん年を取っていくっていう異様な場所なんですよね。そんな場所で急に "僕はカーラと結婚したい！！だからセックスする！！" ってなります？怖いよ......というか精神的にメタな人なんて、頭おかしい枠のチャールズ除いたら大半が当てはまりますよ。トレントとセックスしたカーラが行為後数分で子供を身篭ったことに阿鼻叫喚したかと思えば、産まれたら産まれたで狂喜乱舞するし。そんなカオスが続く怒涛の状況にはもちろんついていけませんでした。
②脚本がごちゃごちゃしすぎ
ここは本作の大事なことについて。この映画の脚本を書けって言われたら、僕は完膚なきまでに使い古されたテンプレで書きますよ。
家族が秘境のビーチを訪問→腐敗死体を発見→一同困惑→ギャー！！→ウワー！！→自分たちにも異変が起き始める→謎を解き明かす
この一連の流れに詰め込むものなんて、ありがちな感じで良いんですよ。"は！？何で何で" "意味分からんし" "怖い怖い" を引き出すための材料が無駄に多すぎる気がします。むしろ要らないでしょって思う箇所も多くありました。一生が一日で終わるビーチに順応しようとする初期の頃の人間の模様なんて別に要らないんです。普通そうならないんじゃね？とも思いました。脚本がごちゃごちゃしすぎてて何を伝えたいのかもよく分からない。どんでん返しのパートも尺が長い上に、あぁー...っていうくらいの驚き。"不思議な力がある鉱石"出されたらもう何でもアリになっちゃうよね〜。せっかく設定が面白いのに色々ともったいない。
③M・ナイト・シャマランの手法
これには？が頭の中にいっぱい浮かびましたね。わざとやってんの？っていうくらい微妙な演出がすごい。1人で観ているのに気まずくなりました。Wikipediaで見た "キャストに可能な限り不自然な演技をさせようとする異様な意志を感じる" という批評にも納得。ん〜...。
「スプリット」とか「ヴィジット」なんて、使い古された題材ではあるけれど、何も考えずに観たら凄い面白いし僕は何回も観てるくらいに好きです。でも今回は見事にハズレだなぁと感じます。少し改善すればコロナ禍に共感を得る素晴らしい作品になるはずだったのに、まさかこんな結果になるとは。シャマラン迷走期突入しちゃったかなー......。
トーマシンは最高ですよ。うん。
