ミーハー女子大生

オールドのミーハー女子大生のネタバレレビュー・内容・結末

オールド(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

物語はある南の島にカッパ一家が訪れる様子が描かれて始まる。
アナミカリゾートに訪れた彼らは保養を兼ねた旅行に来ていたが、父ガイ(ガエル・ガルシア・ベルナル)とその妻プリスカ(ヴィッキー・クリープス)はある思いを抱えていた。
彼らには6歳になる息子・トレント(ノーラン・リヴァー、11歳時:ルカ・ファウスティーノ・ロドリゲス、15歳時:アレックス・ウルフ)と、11歳の姉マドックス(アレクサ・スウィントン、16歳時:トーマサイン・マッケンジー)がいて、マドックスは両親の不和を心配していた。

現地に着いた彼らを出迎えたのは支配人(グスタフ・ハーマスティン)と案内係のマドリッド(フランチェスカ・イーストウッド)で、マドリッドは彼らにトロピカルジュースを振る舞うためにドリンクバーへと案内をする。
そこはたくさんの人が保養を兼ねて訪れていたが、その中の一人パトリシア・カーマイケル(ニキ・アムカ=バード)が突然痙攣発作を起こして騒然となる。
夫のジャリン(ケン・レオン)が心配そうに見守る中、そこに居合わせた客に医師のチャールズ(ルーファス・シーウェル)がいて、彼女を診て「もうすぐ落ち着く」とアドバイスをした。

その頃、トレントは現地の少年イドリブ(Nlailen Jude)と仲良くなり、パズルゲームなどをして遊んでいた。
物語はホテルの仕様書に「子どもはピーチに立ち入り禁止」と書かれているところに、支配人がやってきて「プライベートビーチ」の存在を仄めかすところから動き出す。
家族で遊べるならとガイたちはビーチに出かけることになり、それに同行したのがチャールズの一家だった。
彼には若い妻クリスタル(アビー・リー)がいて、二人の間には6歳になる娘カーラ(カイル・ベイリー、11歳時:カヤ・フィッシャー、15歳時:エリザ・スカンレン)がいて、チャールズの母アグネス(キャスリーン・チャルファント)も同行することになっていた。

彼らがリゾートバンで小高い丘を越えて自然保護区に立ち入る。
ビーチには接客がいて、それは有名ラッパーのセダン(アーロン・ピエール)だった。
そこに次のバンにてカーマイケル夫妻も到着し、ひとときのバカンスを楽しむことになったのである。

このビーチの謎の現象はかなり早い段階でなんとなくわかる感じで何かの実験を匂わせていく。
それゆえに後半のネタバラシにサプライズ感はなく、「やっぱり」という微妙なオチになっていた。
それでも、次から次へと「急速な老化による弊害」を描いていくので、それなりに恐怖感は楽しめる内容となっている。

ツッコミどころは満載で、肉体の成長と精神の成長がリンクするはずないのに、6歳時の知能で成人の選択をしたりするので、中身6歳の成人が取る行動としてはリアリティはあまり感じない。
カーラとトレントの性行為についても6歳児の知識しかない中で行為に及ぶのは微妙で、性的衝動があったとしても肉体の成長だけでそこまでできるものなのかは疑問に思ってしまう。
一応は「急速な老化」を描くために必要な「人類の成長過程」を描くために用意されているのだが、妊娠に関してはクリスタルが身籠った状態で到着する方がリアリティが残ったのではないだろうか。

最終的には一晩明けて中年になったトレント(イーモン・エリオット)とマドックス(エンベス・ディヴィッツ)が、イドリブとのゲームを思い出す形で脱出のヒントを得るのだがぶっちゃけ「無理ゲー」だと思った。
いずれにしろ、ワンシチュエーション「ネタ」映画としての出来は最低限保障されているので、あとは「科学的なツッコミ」をどれぐらい許容できるかだろう。
基本的にツッコんだら負けの部類の映画なので、一日で起こる「急速の老化」を経験したら「自分ならどうするか」を考えるぐらいの効能しかありません。
それでも現地人の子どもとのゲームにヒントがあると言うのは無茶な謎解きだし、あんなにでっかい珊瑚礁に誰も気づかないとかは「稚拙な脚本」と言われても仕方がない。
海に向かう理由が「遠い別の浜辺」よりも先に「近くの珊瑚礁」になると思うし、激流で別のビーチ探すのに珊瑚礁の時は平穏な海になっているのも微妙である。

極め付けは「珊瑚礁の向こう(沖)」に出てしまえば「岸壁の干渉を受ける」はずなので、そこから先の危険が完全スルーなのはいかがなものだろうか 落とし所としては、珊瑚礁の下に洞窟があって、別の洞窟に抜け出ることができたとかでしょうね。
それでも水泳未経験の中身6歳と11歳が沖合からの遠泳や素潜りをこなしてしまうのは無茶だとは思いますが。

ストーリー 3
演出 4
音楽 3
印象 3
独創性 4
関心度 4
総合 3.5